野球離れに歯止めが利かない
単に「野球を楽しみたい」普通の高校生の競技機会は少なくなっている。その結果として高校野球の競技人口は減少している。
日本高野連が発表した、2015年からの男子硬式野球部員数と参加校数の推移
2013年 16万7088人 4048校
2014年 17万0312人 4030校
2015年 16万8898人 4021校
2016年 16万7635人 4014校
2017年 16万1573人 3989校
2018年 15万3184人 3971校
2019年 14万3867人 3957校
2020年 13万8054人 3932校
2021年 13万4282人 3890校
2022年 13万1259人 3857校
(日本高等学校野球連盟サイトより)
2013年 16万7088人 4048校
2014年 17万0312人 4030校
2015年 16万8898人 4021校
2016年 16万7635人 4014校
2017年 16万1573人 3989校
2018年 15万3184人 3971校
2019年 14万3867人 3957校
2020年 13万8054人 3932校
2021年 13万4282人 3890校
2022年 13万1259人 3857校
(日本高等学校野球連盟サイトより)
夏の甲子園の決勝戦でアナウンサーは「全国4000校、15万高校球児の頂点に立ちました」と言うのが常だったが、その数字は過去のものになりつつある。
競技人口は毎年数千人単位で減っている。参加校数は、昨年まで連合チームでの参加を「1校」としていたが今年は3校連合なら「3校」とカウントしている。それでも減少しているのが深刻ではある。
こうした「高校野球の荒廃」は、せんじ詰めれば「甲子園至上主義」「勝利至上主義」に行きつく。「甲子園に出場できれば、すべての問題が解決する」。そのために「何が何でも勝つ」。一方で弱すぎる学校は、野球をする価値がない。82―0という試合も、そういう価値観の帰結である。高校野球の人口は減り続けるのも無理がない。
高校野球は「甲子園」がすべてではない
「甲子園至上主義」のアンチテーゼという形で、高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」が全国で始まっている。
秋季大会が終わった10月から有志の高校が集まってリーグ戦を行う。公立校が中心だが、新潟県の新潟明訓、長野県の佐久長聖、神奈川県の慶應など甲子園に出場した私学も参加している。
単にリーグ戦をするだけでなく「木製、低反発金属バット使用」「球数制限」「原則として全員出場」「スポーツマンシップについて学ぶ」などのルールを導入している。
筆者は毎年このリーグを取材しているが、特に控え選手の表情がいい。「試合に出ることができる」から目が輝いている。また相手チームのファインプレーに惜しみない拍手をするなど、殺伐とした甲子園予選とは違う空気が流れている。昨年は参加校が21都道府県で100校を超した。今年はさらに増える予定だ。