子供の不登校はどうすれば解決するのか。東京西部の高級住宅街に住むB君は、公立中学校に進学したが、親しい友人たちが私立中学に進んだことから、孤立を深めて不登校に陥った。母親から進路相談を受けた塾講師の河本敏浩さんは、どんなアドバイスをしたのか。河本さんの著書『我が子の気持ちがわからない 中流・富裕家庭の歪んだ親子関係を修復に導く17のケーススタディ』(鉄人社)より、一部を紹介しよう――。(第2回)
制服を着た高校生
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実は少ない「いじめ」による不登校

小中学生の不登校は年々増加傾向にあり、特にここ2年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、さらにその数が増している。

図表1、2に掲載したのは、2021年10月に公表された「2020年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(文部科学省統計)における「不登校児童生徒数の推移」と、通信制高校ナビ発表の「不登校になった原因・きっかけ」(2020年度)である。

不登校になったきっかけ(2020年度)
通信制高校ナビ」より ※複数回答含 ※パーセンテージは各区分における不登校児童生徒数に対する割合

表を見てもわかるように、一般的に不登校の要因としてイメージされる「いじめ」は数が少なく、最も多いのが「人間関係」である。ここで取り上げるのは、都内の公立中学に通っていたものの友人関係の構築に苦しみ、やがて不登校になった中学生B君の母親の深刻な悩みである。