ゴキブリにまつわる都市伝説の真実
ゴキブリは死ぬ直前に卵を産む。
ゴキブリは1匹いたら100匹いる。
ゴキブリは人めがけて飛ぶ。
恐怖感からか、ゴキブリに対する都市伝説めいた話は数多く存在します。しかし、どの噂も少し怖がりすぎ・誇張しすぎのように思います。ゴキブリへの理解を深めるために、一つずつ見ていきましょう。
まず、「ゴキブリは死ぬ直前に卵を産む」です。ゴキブリの生命力を感じるこの都市伝説。絶妙な気持ち悪さがあって、クセになる良い都市伝説だなと個人的には思っているのですが、事実とは少し異なります。
ゴキブリは複数の卵を卵鞘というお財布状の入れ物にまとめて、ゆっくりと産み出します。産卵は時間をかけて行われるため、死ぬ直前になってすぐに産み出すということはありません。
なぜ「死ぬ直前に卵を産む」という噂ができたのか
では、なぜ「死ぬ直前に卵を産む」なんて言われるようになったのでしょうか?
推測ですが、これには、ゴキブリの「卵鞘を持ち運ぶ」という生態が絡んでいると考えられます。クロゴキブリは、産み出した卵鞘を少しの間おしりにくっつけたまま持ち運び、適したところを見つけると産みつけます。
また、チャバネゴキブリの場合は孵化する少し前まで卵鞘を持ち運びます(彼らは「卵生」ですが、中には卵鞘を産み出した後に腹部にしまい直し、お腹の中で孵化させてから幼虫を産み出す「卵胎生」のゴキブリや、お腹の中で栄養を与えて少し大きくしてから産み出す「胎生」のゴキブリもいます)。
卵鞘を持ち運んでいるゴキブリをスリッパなどで叩いたり、殺虫剤をかけたりすると、卵鞘が腹部から外れて、あたかも今、卵を産み出したかのように見えます。それで、この「ゴキブリは死ぬ直前に卵を産む」という噂ができたのではないかと思われます。