難関入試を突破してきた東大生の英語力はどのようなものなのか。現役東大生ライターの布施川天馬さんは「1年生全員が受講する英語のプレゼンの授業がある。そこでは受験英語で培った英語力はほとんど役に立たなかった」という――。
黒板に英語を書く若い男性
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英語を勉強してきても「英語ができない」

みなさんは東大生の英語能力というと、どんなイメージを持っているでしょうか。

僕自身はと言われますと、そこまで得意ではないものの、そこそこできるほうではあると思っています。授業などで英語論文を取り扱ったり、英語の講義ビデオを視聴する機会も多く、それなりに英語を使用する機会も多いからです。

ですが、例えば仕事の面接などで「あなたは英語ができますか?」と質問をされれば、僕は「できません」と答えるでしょう。というのも、英語の能力には大きく分けて4つの能力が存在するからです。

その4つの能力とは、①リーディング(読む)②ライティング(書く)③リスニング(聞く)④スピーキング(話す)――を指します。どれも英語を使う上で欠かせない大事な能力ですが、一般的に「英語ができる」というと、外国人と英語である程度会話ができるような状況を指すような気がしています。すなわち、先に挙げた4つの能力のうちでは③と④の能力が重視されているのです。

それなりに英語を勉強してきたはずなのに「英語ができない」という理由はここにあります。受験勉強の中で①リーディング②ライティング③リスニングの能力はある程度育っているという自負はあるのですが、一方で外国人と話すとなるとカチンコチンに緊張して固まってしまいます。それは、④スピーキングの能力が自分には全く欠けていることがハッキリとわかっているからです。