突然だが、「お坊さん」にどんなイメージをお持ちだろうか。葬式の地味なイメージ? 俗世とは離れた存在? いや実は、最近のお坊さんは、一昔前とは異なる存在となっている。
スタッフが全員僧侶の、新宿・荒木町にある「坊主BAR」は仕事帰りのOLに大人気。僧侶が無料でおもてなしをしてくれる「神谷町オープンテラス」も人気だ。お坊さんを主役にした『びぼうず』(集英社)などの女性コミックも相次いで登場。そしてこの2月には、『美坊主図鑑』(廣済堂出版)なる書籍も! タイトル通り、40人の実在するイケメン坊主たちが経歴入りの写真で紹介されている。
しかし、なぜ今、お坊さんなのか。
「ひとつは、お坊さんの世代交代です。開かれたお寺を積極的にアピールする若い人も増えました。そしてやはり、震災の影響は大きいと思います」と、『美坊主図鑑』の担当編集者である高田順子さん。「お葬式だけと思っていたお坊さんがボランティアをする姿を見て身近に感じた人も多い。加えて、一人でいることに不安を感じる独身女性が増えたのも確か。そんなときに頼れて安心な存在として、お坊さんが浮上してきたのでは」。
高田さんのもとには、早速、多くの女性誌から問い合わせがきているそうで、注目度の高さが窺える。
座禅や写経、精進料理といった、「お寺」を体験したいという女性も多い。30代のお坊さんを中心につくられ、座禅のフリーアプリなども開発している“インターネット寺院”や宿坊も話題だ。
心の安らぎだけではなく、お寺での日常は普通の人にとってはエンターテインメント性あるイベントになりうる。定年後の旅の定番“お寺巡り”も、これからは若い女性の体験型ツアー、しかも裏テーマはイケメンの多い寺を回る、なんていうのもアリなのかも。