「肉が平べったくなっていて物足りない」

やはり気になるのは味である。

SNSには味が落ちたとして「Грустно и точка(悲しい。それだけ)」と揶揄する投稿があったと現地メディアに報じられたというが、実際のところはどうなのか? 冒頭のカルポフ氏がモスクワ郊外の街・レウトフにある店舗を訪れて味をレポートしてくれた。

「グランドバーガー、フライドポテト、エビ、コカ・コーラを注文しました。合計733ルーブル(約1746円)で、以前より割高になったように感じます。グランドバーガーは食べ応えがあり、満足できるレベルでした。一方、フライドポテトは全体的に乾燥気味でイモの味があまりしません。コカ・コーラがいまだに販売されていたのは驚きでしたが、在庫が切れたら別の国内製品に替わるそうです。残念だったのが、ビッグマックが注文できなかったこと。『ボリショイバーガー』として引き続きメニューにはあるものの、作っていないと言うのです。メニューに書かれていることと実在していることは別というのはロシア人が切り盛りする料理店ではよくあることですが……」

前出のジューコフ氏もこう味の感想を述べる。

「シンプルなハンバーガーを食べましたが、以前より肉が平べったくなっていて少々物足りませんでした。イチゴ味のシェイクとチキンナゲットはマクドナルド時代のままで美味しく食べれました。容器に描かれた柄がシンプルで、そこまでは手が回らなかったのだろうと思われます(笑)」

今後、ロシア全土で1000店舗の開業を目標にしているという「美味しい。それだけ」。ところが、オープン直後、「Еда –и точка(食べる。それだけ)」というウラジオストクを中心に展開する別のファストフードチェーン店が店名の盗作疑惑で同店を訴える可能性を示しているという難局も迎えた。“ロシア版マック”は美味しい「だけ」とはいかなそうだ。

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