月8000円も電気代節約が可能な「飛び道具」である太陽光発電

さて、最後はいよいよ本題の「太陽光発電」。先の家電・設備と同じく、かつては日本企業がダントツ世界一だった分野です。ですが、せっかく普及が始まりかけた2000年前半に早すぎる補助政策の打ち切りで冷や水をかけられ、日本メーカーが停滞するうちに海外企業の怒涛の投資に圧倒されてしまい、今はものの見事に跡形もなくなりました。

その後には、なぜかヘイトが吹き荒れ、太陽光は載せてはいけないと「飛車落ち」の地味な将棋が当たり前という、なんとも不思議な状況になっています。

住宅の省エネをテーマにしている筆者の周りの研究者にも、太陽光発電は大嫌いという人がいっぱいいます。しかし、その理由は「太陽光発電を入れると断熱とか省エネが目立たなくなってケシカラン」「飛び道具で強力すぎるからツマラナイ」といったしょうもないものだったりします。なんだかんだいって、そこらにあふれる太陽エネルギーで電気をバンバン作れるのは最強なのです。

東京都の試算を2022年7月の電気代で修正した結果を、図表6に示します。比較的コンパクトな容量4kWの太陽光を入れるだけで、月々の電気代が約8000円、年間で10万円近く電気代を減らせます。この強烈な節電パワーは太陽光の十八番おはこ、まさに「飛び道具」です。

太陽光の導入による効果
東京都の試算を2022年7月の電気代で修正した結果

太陽光発電の設置コストは今や十分にこなれており、発電容量4kWのものであれば100万円程度です。毎年10万円電気代が節約できれば、10年程度で元がとれます。さらに東京都は、最大36万円という太っ腹な補助金を出しているので、たった6年で元がとれて、その後は系統から買う電気がどうなろうとずっと安心です。

初期コストの問題もほぼ解決できる

よく「パワコンの交換費用が~」「廃棄の費用が~」とかマイナスのリスクだけを殊更に叫ぶ人が居ます。しかし、今後、系統からの買電単価がさらに上昇すれば、プラスのメリットがさらに増える可能性も十分あるのです。また太陽光を載せれば簡単にゼロエネルギー住宅(ZEH)になるので、住宅金融支援機構のフラット35での特別金利優遇も受けられる(2022年10月開始予定)ので、初期コストの問題はほぼ解決です。

ここまでお得だとほぼチートということで、「難しいことは考えずサクッと載せればいいじゃん」。筆者はそうとしか言いようがありません。東京都さん、ちょっと太っ腹がすぎませんか?(笑)