リモートトークは“0.9倍速”で話す

メールでのやり取りで「しっかり仕事ができる人だ」という印象を持った方がいました。ある時Zoomで打ち合わせをすると、思い描いていたイメージとズレを感じました。その方はきちんとした内容を話しているものの、「少しだけ早口なので話がよく理解できない」といった印象を持ってしまったのです。

実際に対面で会って話をしたならば、ボディーランゲージやツールからの補足で話の内容を理解できたと思いますし、その人の魅力やオーラも感じ取れたでしょう。

しかし、画面越しではそういった雰囲気を感じにくくなります。

リモートではリアル以上に話し方に気をつけなくてはならないのです。自分が思っている話し方と実際の話し方にはズレがあります。このズレをよく知っておく必要があるのです。

ビデオ会議で発言する男性
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

私は以前より、リモートワークでのやり取りの様子を録画しています。見るたびに欠点を見つけてガッカリしますが、話してはチェックし、問題点を改善するように心がけているため、以前よりは話し方が向上してきたように思えます。

私が一番注意している点は話すスピードです。

イメージとしては通常のスピードの0.9倍速、つまり少しだけゆっくり話すことを意識します。リモートでは何を話したかよりも、どう話しているか(声、話し方)の方がはるかに相手に与える影響があります。できる人はそれを知っていて、意識的に行っているのです。とくにリモートではゆっくり話すことを心がけてください。

菊原智明『仕事ではウソをつけ』(光文社)
菊原智明『仕事ではウソをつけ』(光文社)

仕事相手でZoomやTeamsをうまく活用して結果を出している人がいると思います。そういった人たちの話し方やスピードを参考にするのも一つの手です。

ストレートに「○○さんのリモートでの話し方を学びたいので録画したものを頂けますか」とお願いしてみてもいいでしょう。

ただ、そういった言い方をすると照れる人もいるので、「記録のために録画させて頂きます」と言って録画しておき、あとで話し方をじっくり研究するのもいいと思います。

その際、「自分とは何が違うのか」という観点で話している様子をチェックしてみてください。これも理想の人物像を構築する上で大きなヒントになります。

まとめ リモートではリアルよりもゆっくり話すことを心がける