「8050問題」を超え「9060問題」の相談者が直面していること
ひきこもりの子がいる家庭の生活設計相談を受けている中で、「親が介護になった場合はどうするのか」を具体的に考えている人にお会いした経験がない。いっぽうで「8050問題」を超え、「9060問題」の相談者と向き合っていると、介護のことを具体的に考えるのは急務だと感じる。親は適切な介護を受けられず、子どもはお金がなくて、困り果てる未来が簡単に想像できてしまうからだ。
ひきこもりの子は、ヘルパーが家に来るのを嫌がるケースが多い。私の相談者の中にも、子どもがヘルパーを追い返したり、家の鍵を替えて、家に上がれなくしたりしたケースもある。親は適切な介護サービスを受けられず「介護放置」になっているのではないかと心配している。
「ひきこもりと介護」には親和性がないように感じるかもしれないが、8050問題のその先に、確実に潜んでいる問題なのだ。