気温31~35℃では激しい運動や持久走はNG

環境省の「熱中症予防情報サイト」には、熱中症予防運動指針というものが掲載されています。それによると、気温35℃以上・WBGT(暑さ指数)31以上は、運動は原則中止。気温31~35℃・WBGT28~31は厳重警戒。熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。運動する場合には、頻繁に休息をとり水分・塩分の補給を行う。

気温28~31℃・WBGT25~28は警戒。熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。気温24~28℃・WBGT21~25は注意。熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する、とあります。ぜひ、参考にしましょう。

熱中症予防の温度指標には、暑さ指数とも呼ばれるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)が用いられることがあるのですが、WBGTとは、気温、湿度、日射・輻射ふくしゃ(グラウンドからの日差しの照り返しなど)熱の3つを計測して算出されるものです。このWBGTについては、環境省の「熱中症予防情報サイト」で各地の数値(春~秋にかけて)がチェックできるので参考にしましょう。WBGT計測機は市販されてもいます。

男性と太陽
写真=iStock.com/PraewBlackWhile
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初夏と梅雨の前後は熱中症のリスクが高まる

もちろん、屋内スポーツも熱中症と無縁ではありません。日差しはないものの、屋内は熱がこもりやすいので、エアコンが利用できるなら利用する、窓や扉を開けて風通しを良くするといった工夫が大切です。

空調や風が競技に影響するバドミントンなど、体育館を閉め切って行わなければならないスポーツはかなりの注意が必要でしょう。

体調への配慮も重要です。寝不足、疲労、肥満、過度な減量は熱中症のリスクを高めるとされています。もちろん発熱や下痢といった症状があるときは、練習を休んで安静にしていなければいけません。無理をしないことが大切です。また、体が暑さに慣れていないと、熱中症のリスクは高くなります。暑くなり始める初夏、湿度が上がる梅雨入りのタイミング、そして一気に気温が高まる梅雨明けといった季節の変わり目は、特に気をつけましょう。