[日本料理]幻燈士なかだ

――何ものにも似ていない。唯一無二の料理に圧倒される

●この店では素晴らしい食器を愛でる楽しみもある。写真の若竹の炭焼きに使われている皿は、故S・ジョブズが惚れ込んだ越中瀬戸焼の陶芸家・釋永由紀夫さんの作品。

●東京都港区元麻布2-1-20 有栖川ナショナルコートB1F TEL.090-4228-3817 営業時間/18:00~23:00 日祝休 カウンター8席 個室6席 要予約 禁煙 料理はおまかせのみで2万1000円。サービス料10%。

天才・中田昇さんの料理は、一品一品が驚きの連続。「普通」の料理ではないが、奇をてらっているのではない。意外な素材の組み合わせと、フレンチの技法も取り入れた工夫が、誰も食べたことのない、目を見張るような味を生み出す。ぜひ、この進化した料理を体感してみてほしい。
  1.ふぐ三彩。手前右はふぐかまの真丈。手前左は白子の天ぷらと、ふぐ皮のソース。奥はてっさ。上にかかっているのは、ふぐの焼いた骨でつくったにこごり。てっさはポン酢で食べるものという概念が覆される。
  2.トリュフをペーストにしてもち米と一緒に搗いたトリュフもち。口に含むとトリュフの香りが鼻を抜けていく。黄金色のスープは、キャベツとだしを12時間炊いたもの。
  3.尾崎牛。手前右から時計回りに、ロース炭火焼き、かつおと昆布のだしと赤ワインで炊いた牛たんのシチュー、ブルーチーズを入れて焼いたえびいも。「幻の和牛」と呼ばれる尾崎牛は、滅多にお目にかかれない希少な肉。
  4.若竹の炭焼き。中田さんは、竹の子を「アクも味のうち」と、手を加えず炭で焼くだけにする。自然の味とはこういうものかと実感できる。

[レストラン&ワインバー]Grandvin グランヴァン

――沖縄では珍しいワイン好きによるワイン好きのためのビストロ

●「沖縄に住む父のお気に入りのお店。私も実家に帰ったときに、家族みんなで行きます」と知花さん。“うちなー”のワイン好きたちでいつも賑わっている。

●沖縄県那覇市おもろまち4-10-43 TEL.098-862-3376 営業時間/ランチ11:30~14:00(LO、金曜休み)、ディナー17:00~22:00(LO)木曜・第1水曜休 カウンター10席、個室6席 禁煙

ワインがよりおいしくなる本格フレンチ料理が揃う。
  1.真鯛のポワレ じゃがいものピューレと小野菜添え(2000円)。辛口の白ワインと合わせてさっぱりといただきたい。
  2.鹿のロースト 赤すぐりのソース チコリのグラッセとセロリのピューレ添え(2400円)。野性味あふれる鹿肉は、驚くほどやわらか。しっかりした赤ワインと。
  3.フォアグラのポワレ レンズ豆とオニオンのフリット添え(1600円)。まったりとしたフォアグラとコリコリしたレンズ豆、さくさくのオニオンが、絶妙なハーモニーを生む。フォアグラに合わせるなら甘口の白ワインがお勧め。
  4.牡蠣の小箱仕立て(1200円)。ブイヨンで味付けしたじゃがいもを小箱に見立て、軽く火を通した牡蠣を中に入れてある。牡蠣から出たジュースとクリームを合わせたソースは、牡蠣の旨みたっぷり。スパークリングワインと相性抜群。小体な店ながら、ワインの種類は優に200を超える。その秘密は、近くにある系列のワインショップからすぐに取り寄せられるから。よほど特殊なものでなければ、たいていの注文には応えられる。グラスワイン900円~、ボトルは3000円台から用意。

(構成・文/坂口さゆり 撮影/工藤睦子 ヘアメイク/室岡洋希 スタイリスト/田中雅美 衣装協力/ジェイソン ウー(三喜商事)、ワオン ジュエリー(ブランドニュース))