消費者が「限定」という言葉にめっぽう弱いワケ

消費者の購買欲を高めるためにはいろいろな方法があります。

「限定」をアピールするのもそのひとつ。「3日間に限り3割引き」とか「100名様限定」などのやり方です。消費者が「限定」に弱いのは、それによって急かされるからです。

これをもう一歩踏み込んで考えると、消費者側に「損したくない」という意識が働いていることがわかります。

「3日間に限り3割引き」とは、言い換えれば、この3日間を逃すと割り引きにならずに損をしますよ、という呼びかけです。「100名様限定」は、100名のなかに入らないと高い買い物になってしまいますよ、という意味になります。

こうした、このチャンスを逃すと損をしてしまうという呼びかけに人間は弱い。それは、私たちに「損失回避性」があるためです。

これは、人は得をしたときの喜びよりも損をしたときのショックのほうが大きく、そのためなるべく損失を回避しようとする傾向が強いということです。

つまり「こうすると得ですよ」と訴えるよりも、「こうしないと損ですよ」と訴えたほうが消費者には有効であることがわかります。

「メリットがあります」より「損をします」のほうが強い

人は利益から得られる満足よりも損失から受けるダメージのほうが大きいことから、損失をより嫌う「損失回避性」があることは前述しました。

この心理を突いた手法はCMでもよく見られます。

つまり、この商品を使うとこんなメリットがありますと訴えるのではなく、この商品を使わないとこんなに損をしますと訴える手法です。

こうしたCMや広告は、とくに洗剤や医薬品、サプリメント、エチケット商品などによくみられますが、一般的な商品についても有効です。

たとえば「この靴をはけば、長時間歩いても疲れません」と「あなたがすぐに歩き疲れるのは自分に合った靴をはいていないからです」では、どちらが心に響くかといえば、デメリットを訴求した後者のほうです。

ブティックシューズ店でのコンシューマーサービス
写真=iStock.com/ASKA
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私たちは損をすることに敏感です。したがって、そこにこそ効果的な訴求ポイントがひそんでいるのです。