腕と足で推進力を高める

ひとつ目は「腕振り」です。

腕振りは速く走るために重要なことですが、その際にひじを90度に曲げたりする必要はありません。腕振りの際に意識することはただひとつ。肩甲骨です。肩甲骨を意識すると腕の振りが速くなり、推進力がアップします。

練習方法は立った状態で、その場で肩甲骨を意識しながら両腕をすばやく前後に振るだけ。最初のうちは、違和感を覚えるかもしれません。ですが慣れてくれば腕の振りも速くなり、これだけでスピードが上がります。

ふたつ目は「足上げ」です。

走るときに「足(もも)をもっと高く上げろ!」と言われた経験はありませんか? 実はその言葉を鵜呑みにしてはいけません。足を高く上げすぎると上体が後ろに反ってしまい、スピードが出なくなります。

大切なのは自分にあった足の高さを知り、自然とその高さで走れるように練習しておくことです。

その場で片足立ちをしてみてください。その際に、上げた足で三角形を作り30秒間姿勢をキープ。これだけです。ぐらついてしまう人は目線をまっすぐに、地面から頭に軸が通っているイメージでお腹に力を入れましょう。

体幹も鍛えられ、背筋がピンと伸びたきれいな姿勢をキープできるようにもなります。

【図表1】30秒片足立ち
出典=伊東純也『子どもの足がどんどん速くなる』(アスコム)

着地のリズムが回転力を生み出す

そして最後は「着地」です。

どのような着地の仕方をするかによって、次の一歩にスムーズに移れるかどうかが変わってきます。

走るのが遅くて悩んでいる子は、足の裏全体(ベタ足)で着地しているケースが多いのですが、速く走るためには、まずつま先で着地することを心がけましょう。それとリズムも大切です。リズムが刻めていないと体の動きがバラバラになって、前に進む力が失われてしまいます。

着地と着地のリズムの感覚をつかむために、おすすめの練習法が「グーチョキパージャンプ」です。