ハードルが高すぎる目標にしないよう注意

最後に、有能感を満たすために、「自分はやれている」「次もやればできそうだ」という自信を子どもに持たせましょう。目標は達成可能なものに設定して、成功体験を積み重ねるようにしましょう。

最初からチャレンジングな高いハードルを課してしまう親御さんがときどきいますが、そのやり方はうまくいかない場合のほうが多いです。

「やったらできた」という経験が増えるにしたがって、子どもは高いハードルにもチャレンジできるようになっていきます。焦らず1段ずつハードルを上げていきましょう。

以上、内発的動機付けを高める3つの要素でした。これら3つを意識しながら、お子さんの中にうまく目的意識を作ってあげてください。

菊池洋匡 『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ )
菊池洋匡『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ)

なお、さまざまな研究により、「なぜそれをするべきか」を考えると、「どうやってそれをするべきか」を考えるよりも、モチベーションが上がることがわかっています。

例えば、「人生にとって健康が必要な理由」を考えてもらったグループは、「健康になるための方法」を考えてもらったグループよりも、目先の誘惑に負けなくなりました。

成績を上げるために「どんな勉強をするか」を考えることは大事ですが、誘惑に負けずに勉強計画を実行する意思の強さを持つためには、「なぜ勉強をするのか」という目的意識を持つことがとても大切です。

最初の一歩を踏み出した後、二歩目、三歩目と進むことを後押ししてくれますので、目的の再確認もときどきしてくださいね。

【ポイント】
・勉強についての最終的な判断を子ども自身にさせる(親がアドバイスするのは可)
・親子の良好な関係性ができていなければ作る
・目標は子どもが実際に達成可能なレベルから始める
(イラストレーション=伊藤ハムスター)
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