▼関谷さんからのアドバイス

同時通訳者 関谷英里子 せきや・えりこ●アル・ゴア元米副大統領やダライ・ラマ14世など、一流講演家の同時通訳者および翻訳家として活躍。著書に『ビジネスパーソンの英単語帳』など。

三日坊主でいいと思います。それよりも最初の一歩を踏み出した自分をほめてあげてください。どうせ続かないからといって行動を起こさなければ何ひとつ手に入りません。何より、いつか始めようと思って足踏みしていること自体、最大の機会損失であることに気づくべきです。

三日坊主に悩むのは自分に厳しい人なのだと思います。しかし、「毎朝7時に起きてラジオ講座を聴こう」とか「英単語を10個覚えよう」とか決めても、人間ですから調子の悪い日や、気分が乗らないときがあるのはあたりまえです。それなのに「今朝は7時半まで寝てしまった」「たった3個しか覚えられなかった」と自分を責め、「私には無理」とあきらめてしまうのは、もったいない。そうではなく、「今日は起きられなかったけれど明日は頑張ろう」「とりあえず3個覚えられたのだから合格」というふうに発想を転換してみるのをおすすめします。

勉強というのはゆっくりでも続けていれば、少しずつ力がついていきます。力がついてくることで学ぶこと自体が楽しくなって、ペースも上がってくる。ですから、最初は毎日やると決めていたことが、実際は一週間に一日しかできなくても、まったく気にする必要はないのです。

また英語の学習であれば、いろいろな国の人たちと会話を交わしながら楽しいひと時を過ごすといったようなイメージをいくつも思い浮かべたり、そのときこんな話をしよう、これを聞いてみようと想像を膨らませていくと、自然とやる気も湧いてきます。いつ、どこの国のどんな場所でどのように過ごすか、イメージは具体的なほうがいいと思います。雑誌などでこれは自分のイメージに近いと思えるような記事を発見したら、切り抜いて部屋の壁に貼っておくと効果的です。

※すべて雑誌掲載当時

(山口雅之=構成)