——その2億円の内訳というのは、どこかで見れるようになっていますか?
「細かい内容になりますと、決算書をつくっているのが、雪まつり実行委員会になるんですよね。実行委員会であれば、何にどれくらい使ったかを細かく把握しているはずです。われわれのほうではざっくりとした予算感と大きな項目でしか把握していないもので。(実行委員会なら)可能な範囲で教えてくれるはずです」
というわけで、今度は雪まつり実行員会に訊いてみる。
補助金を出す市が細かい使途を把握していない?
——今年のオンライン雪まつりの予算はどれくらい?
「雪まつり自体が『さっぽろ雪まつり実行委員会』という任意団体でやっておりまして、その中に札幌市さんの補助金とか協賛金が集まって事業をやっています。例年ですと5億円とかそれぐらいの規模でやっているんですが、今年は恐らく2億とか3億の事業規模になるかと思います」
——その内訳、例えば昨年は何にいくら使ったというのはどこで見れるんですか。
「どうだろう……札幌市さんのほうでもし出ていなければ、実行委員会で収支決算をやっていて、年2回会議をやっているんですね。そのなかで、報告というか議案として諮っているということになっています」
——そこで報告されている内訳を見るには、「開示請求」するしかない?
「恐らくそういうことになると思います。札幌市さんのほうに開示請求していただいて、札幌市さんのほうから実行委員会に開示を求めるという流れになるんじゃないか、と」
「オンライン雪まつり」で何にいくら税金が使われたのかを知りたいだけだったのだが、思いのほかガードが固いことに少し驚いた。そもそも補助金の出し手である札幌市が、その細かい使途を把握していないというのは、かなり不思議な話だと思う。
札幌市は「昨年度のオンライン開催が好評だったので」
このコロナ禍で全国的に「オンライン祭り」は定着しつつあるのも確かだが、花火大会や盆踊りなど動きのあるものならともかく、動かぬ雪像をオンラインで見る意味があるのだろうか――。
「雪まつり」を担当する札幌市経済観光局観光・MICE推進課の辻本係長はこう語る。
「今年度は元々雪像の設置によるリアル展開とオンライン展開のハイブリット形式により、国内外に雪まつりの魅力を発信していく計画でした。コロナ(オミクロン株)の急拡大により、リアル部分は断念したが、昨年度、国外からも多くのアクセスがあり好評だったので、オンラインについては引き続き開催することにしました」