すべては相手との関係性で成り立つ

残酷な話ですが、同じことをしても許される人と許されない人がいます。何事も、相手との関係性がすべてなのです。

立川談慶『天才論 立川談志の凄み』(PHP新書)
立川談慶『天才論 立川談志の凄み』(PHP新書)

師匠にその存在を認められて初めて弟子となり、一度首を縦に振らせて二つ目になり、二度振らせて真打ちになるという構図です。カミさんに「あなた」と呼ばれて亭主になり、その関係性の産物である子供に「パパ」と呼ばれて父親になります。版元が認めてくれるからこそ作家になります。逆に被害者から訴えられるからこそ加害者と呼ばれるマイナスなケースもあるわけですね。

落語家らしくふざけ半分気味に申しますと、人生なんて「自分が好意を寄せた人と行為に及ぶことができるかどうか」だけかもしれません。

自分がしたい行為を他者が許してくれるか。カリスマになるほどその許容度がアップするのです。

テレビの番組収録に平気で遅れてきて「前の現場が楽しすぎただけだから」と言ってのけた人はあの人しかいませんでした。極端な一例ですが、「他人に無理が言えるかどうか」こそ信用されているかどうかのチェック機能でもあると言えないでしょうか? パワハラとかセクハラはそういう意味で信頼関係の誤認、信頼関係の債務超過なのでしょう。

無論、法律という前提条件は肝心ですが、杓子定規になることなく、「俺ってそんなにカリスマ性(信頼関係)がないから今の言動はパワハラ案件かもな」という自己チェックを怠らないようにいたいものです。

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