相手を否定せずに異議を唱えるには
ビジネスの世界では、異なる意見を率直にぶつけ合い、よりよい選択や決断をすることが必要です。そのため、誰かの意見にはっきりと異議を唱えるのも、ときに大切な姿勢になります。
しかしこのとき、「それは違うのではないでしょうか?」「その方法ではうまくいきませんよ」などと相手を正面から否定すると、人間関係が悪くなりチームの機能を損なう可能性も出てきます。
そうではなく、相手の意見に配慮しながら自分の意見を伝えることが、会話における社会人のマナーなのです。
そんな場合は「方向性としては」という言葉を活用してみてください。
「方向性としてはとてもいいと思う。ついでにここも改良できますね」
「方向性としてはいいから、こういう手も考えてみたら?」
こう話せば、誰も否定することなく、自分の意見を伝えられます。
会話をする際は、相手をむやみに否定してはいけません。話し上手な人は、どんなときでも相手に対する肯定を前提にして話す人です。
「確かにいいね、加えて○○もあるね」という言い方を心掛ければ、言いづらいこともしっかり伝えられるはずです。
場の風通しをよくする「感覚」「直感」「印象」
せっかくいい意見やアイデアを思いついても、まわりの雰囲気や会話の流れから外れるのを気にし過ぎて、自分の考えを気兼ねなくいえないときもあるでしょう。
ふと思いついたことを会話のなかで自然に話せなければ、会話を理詰めだけで考えてしまい、その場にも緊張した雰囲気が生まれてしまいます。
誰かが思いつくままに素直な意見を発することで、はじめてその場の風通しがよくなり、明るいコミュニケーションができる雰囲気になります。
ですから、まずはあなたから、自分が感じたままの意見を伝えてみましょう。
そんなときに使えるのが、「感覚的にいうと」「直感的には」「印象としては」などの感性を伝える言葉です。
「感覚的にいうと、そのアイデアはいまの若者に刺さると思いますね」
「直感的には、このサービスは高くても使い勝手がいいのでありだと思います」
自分の考えにつけるだけで、素直な意見がぐんと言いやすくなります。感覚や直感には正解・不正解がないので、誰もが「そうだよね」「そういう見方もあるかな」と、自然なかたちでとらえられるからです。
仲間やチームのなかにひとりでもそんな話し方をする人がいるだけで、まわりの人も率直な意見を言いやすい雰囲気が生まれます。
その場のコミュニケーションが活性化していくので、会議や打ち合わせなど仕事の場面で、ぜひ使ってみてください。