話が長い人は厄介者扱いされる時代
いまは多くの人が「時間がない」と感じて日常を過ごしているので、聞き手の時間がないなかで、相手にどう端的に伝えるかが、現代における「話のわかりやすさ」になります。
民俗学者である宮本常一さんの『忘れられた日本人』(岩波書店)にも記されていますが、かつての村の寄り合いなどでは、同じメンバーで一晩中話し合い、翌晩も翌々晩も集まって話すことがあたりまえでした。
毎晩ゆっくり話す時間があるわけですから、当然、話を端的にしたり、わかりやすくまとめたりする必要もありませんでした。
でも、いまの時代は出会う人の数が多いうえに、SNSなどを含めれば、いろいろなかたちで他人とかかわっています。そんな「時間がない」時代には、相手にとって的確な話を手短に伝えなければなりません。
この力を鍛えていないと、相手にとってストレスを与えてしまう、少々「具合の悪い」人になりかねません。
話が長くて止まらない人は、もうそれだけでちょっとやっかいな人だとみなされてしまう時代なのです。