相手に話をよく聞いてもらうにはどうすればいいのか。明治大学文学部の齋藤孝教授は「最初に『えーっと』と言うのはやめたほうがいい。続く話がきちんとした内容でも、考えがまとまっていないという印象を与えてしまう」という。セブン‐イレブン限定書籍『人生を変える「超」会話力』からお届けする――。

※本稿は、齋藤孝『人生を変える「超」会話力』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

デザイナーチームのシルエット
写真=iStock.com/PrathanChorruangsak
※写真はイメージです

理由や要点は後から付け足せばいい

話がわかりやすい人の特長は、なんといっても結論から話す人です。

最初に「結論は◯◯です」と提示し、「それはなぜか?」「ポイントはなにか」という順番で話をすると、話の構造がすっきりとして、基本的に聞き手は「わかりやすい」と感じます。

例えば、1枚の象の写真を思い浮かべてみてください。象の全体像を写した1枚の写真を最初に見せれば、「これから象の話をするんだな」とわかりやすくなるでしょう。

でも、先に象のしっぽの写真や脚の写真など、部分部分で出していくと話がわかりにくくなります。しっぽや脚だけを見ても象とわかるかもしれませんが、よりわかりづらいテーマであれば、部分だけを先に見せられても(話されても)よくわかりません。

つまり、特にみんなが知らないような話をするときは、ブロックのように部分を積み重ねるようにして話してはいけないのです。聞き手は「いったいなんの話だろう?」「結論はなんだろう?」と思いながら聞くことになり、結局「わかりにくい話」になってしまいます。

そうではなく、大雑把でもいいので、まず「結論はこうです」と全体像を提示することが大切です。

そのうえで、「理由(なぜそういえるのか)」や「要点(ポイントはなにか)」や「例示(例えばどんなものか)」を説明していけば、話は一気にわかりやすくなります。