2011年3月、青森の老舗百貨店「中三」が経営破綻。友の会を運営していた株式会社中三友の会も破産申請を行った。これにより、友の会会員の積立金と買い物券は、還付受付期限の8月31日までに申し出を行うことで、割賦販売法に定める手続きに従い、保全措置が講じられている前受け金の配分を受けることになった。現在、「中三」は、百貨店の営業を再開しているが、すでに友の会の買い物券を利用することはできない。
友の会は通常、「中三」のように百貨店のグループ企業や関連会社などとして別会社で運営されている。このため、百貨店が統合された場合にも、友の会ベースで統合がされているかどうかによって、利用範囲も異なってくる。そこで、他店舗での利用を考える場合には、事前の確認が必須だ。ちなみに、統合が進んでいる例では、株式会社エムアイ友の会がある。全国の伊勢丹・三越に加え、岩田屋・丸井今井各店でも相互利用が可能だ。転勤族や帰省などで利用を考える人には朗報だろう。
また、最近の動向として、積立期間が1年というのは長いと思う人や、積立金総額を負担に感じる人のために、図のように、6カ月満期コースを新設するところが増えている。ただし、6カ月コースの場合、利回りは低下するケースもある。さらに、1年積み立てでも、ボーナス分が0.5カ月となるところもみられる。
友の会は、日頃よく行く馴染みの百貨店で活用することに利便性がある。万一のことを考え、地域最大店や電鉄系百貨店(電鉄会社が100%株主など)を選択するといったように、経営面の盤石さを意識しつつ、わが家の必需品を賢くゲットするツールとして利用を検討したい。
※すべて雑誌掲載当時
(坂本道浩=撮影)