「般若心経の教えの真髄は『色不異空空不異色色即是空空即是色』の16文字にあるんじゃないでしょうか。己を空しくする。つまり無心になることで、こだわりや欲を捨て去ることができるようになります。そうすることで、巡り巡って自分の思いがかなうようになると教えてくれているのです」

元財務大臣 塩川正十郎 しおかわ・まさじゅうろう●1921年、大阪府生まれ。44年、慶應義塾大学卒業。67年、衆議院議員に初当選。内閣官房長官、財務大臣などの要職を歴任する。

こう語るのは、元衆議院議員で財務大臣や内閣官房長官などの要職を歴任した塩川正十郎さんだ。

塩川さんが般若心経の教えに初めて触れたきっかけは、奈良・薬師寺の管主を務めていた高田好胤さんと青年会議所の活動を通して出会ったことにある。塩川さんが衆議院議員に初当選した1967年当時の薬師寺は財政に苦しんでいた。そして復興の任を委ねられた高田さんは、写経をしてもらい、その納経料を浄財にあてる「お写経勧進」を思いつく。