橋下徹氏率いる地域政党「大阪維新の会」と公明党の関係に注目が集まっている。大阪府知事選と大阪市長選での圧勝を受け、橋下氏は中央政界進出を明言。勢いのある維新の会との連携を視野に、各党が接近を図っているが、今のところ公明党が優位に立っている。
「維新の会の顧問格である堺屋太一・元経済企画庁長官が、公明党の支持母体・創価学会の西口良三副理事長と10月28日と11月21日の2度、会談。堺屋氏は維新の会が掲げる大阪都構想に公明党が賛成してくれるなら、次期衆院選で維新の会は公明党候補のいる大阪の選挙区に候補を立てないと約束。創価学会・公明党も橋下氏らに対立を擁立せず自主投票を決めた」(学会関係者)
大阪都構想実現には地方議会の協力が必要だが、維新の会は大阪市議会で過半数を握っておらず、橋下氏は公明党に協力を求めた。
「もともと橋下氏と公明党はパイプがなく、今春の統一地方選では維新の会と公明党の候補はしのぎを削った関係。しかし府知事選、市長選での維新の会の勢いに脅威を抱いた公明党は戦略を転換。かつて自民・自由・公明三党による小渕恵三連立政権下で経済企画庁長官を務め、学会・公明党とパイプを持つ堺屋氏を通じて橋下氏と手打ちした」(前出関係者)
だが、この動きが直ちに両党の中央政界での連携につながるかは不透明。「宗教色の強い公明党と全国レベルで共闘したら無党派票が逃げる」(全国紙政治部デスク)からだ。
では来年に予想される総選挙で橋下氏が組むのはどの党か。みんなの党の渡辺喜美代表は橋下氏の選挙応援に入るなど最も連携に熱心だが、橋下当選セレモニーで演壇にも上げてもらえなかった。
一方、民主党の小沢一郎元代表は、地域政党代表の河村たかし名古屋市長や大村秀章愛知県知事とのパイプを通じ、橋下氏との連携を模索しているという。
「小沢氏は新党を旗揚げして河村、橋下の地域政党と連携する戦略を描いているようだ」と先のデスクは解説する。
このほか、自民党の石原伸晃幹事長が父親の石原慎太郎都知事を担いで新党を立ち上げるとの噂も。維新の会を中心とした政界再編が不可避になってきた。