世の中にはバカを騙して儲けるビジネスがたくさんある
「この投資法をやれば確実に儲かります!」とか「インスタグラムで成功する養成講座」とかをよく見かけます。インターネット上で金儲けだとかの情報を売っているのを情報商材といいますが、こうしたものの多くが詐欺まがいです。
考えてみれば簡単にわかることです。もし本当に確実に儲かる投資法がわかっているのなら、そんな情報は他人に売らず、自分で淡々と実践したらいいだけの話です。確実に儲けられるなら、いまごろはグーグルとかユニクロとかを買収できるぐらいになっているでしょう。
ネットワークビジネスの類も、勧誘する側はいかに儲かるかを力説しますが、結局は主宰するトップやその周辺の幹部にお金が集まる構造になっています。勧誘などされている時点で幹部になれません。お金を吸い上げられて終わります。
このように、少し考えただけでも怪しいビジネスだとわかるものが世の中にはいっぱいあります。こういうものがはびこるのは、「人生で一発逆転できる」と都合のいいことを思いがちな頭の悪い人が世の中にはたくさんいて、カモになるからでしょう。そういう人は、ごく一部の儲かってそうに見える人にあこがれ、騙されてしまいます。
バカを騙して儲けるビジネスをよいとは僕は思いません。けれども、「騙しても儲かればいいじゃん」とか「騙しても相手が気づかないならいいじゃん」といった考え方を持つ人がいなくなることはないでしょう。
だから、大切なのは、少なくとも自分は騙されないように注意することです。そのためには「人生を一発逆転させる」などというギャンブルをしようなどと思わず、地道な生き方を受け入れるということが大切だと思いますよ。
タワーマンションには住むだけ損
何十階建てのタワーマンション暮らしにあこがれをもっている人もいるかもしれませんが、タワマンなんてぜんぜんいいものじゃありません。東京・山手線の内側で、投資のために買うならまだわかりますが、その他のエリアのタワーマンションを買って、自分で住む人たちの気がしれません。
たとえば、最近人気のある武蔵小杉エリア(神奈川県川崎市)のタワマンは、そもそも居住環境に問題があることが以前からわかっていました。短期間で急速にマンションが増えたのですから、下水道などのインフラが追いついていないのです。駅はかなり混んでいて、通勤時間帯は地獄です。そしていったん悪評が立つと、価格は下落し続けます。
バブル時代に建てられた熱海などのリゾートマンションのなかには、資産価値が下がって売るに売れず、廃墟化しているものがあります。数十年後、いまのタワマンも同じ運命をたどるんじゃないでしょうか。
たぶん数十年後には環境の悪さから居住者が離れていくでしょう。すると、管理費や修繕積立金が足りなくなって、壁や水道管の補修がすぐできなくなったり、警備員を雇ったりすることが難しくなります。
そうなるとますます資産価値が下がり、売るに売れなくなり、ボロくなったタワマンにがまんして住むほかない、ということになりそうなのです。そもそも、タワマンって住んでもそんなに快適じゃありませんよ。エレベーターがなかなか来なくて、エントランスから自分の部屋まで10分くらいかかることはよくあります。
それに、タワマン内部でもマウンティングがあります。上層に住んでいる人が、中低層に住んでいる人を見下すというやつです。結局、ふつうのアパートとかマンションとか貸家とかで暮らすのが幸せなんじゃないですかね。