経済の長期停滞、財政破綻、少子高齢化……、今回の東日本大震災が駄目出しとなり、過剰なまでに悲観的になった日本。カネ、子ども、エネルギーが不足する日本社会に対する処方箋を、欧州を代表するこの著名な知識人に聞いた。

トッド氏は、1976年の著書『最後の転落』でソ連の崩壊を予言し、2002年の『帝国以後』では、リーマン・ショック以前にもかかわらず、アメリカが衰退期に入ったと断言し、世界の注目を集めた。さらに07年の『文明の接近』では、西洋文明とイスラム文明は対立するものではなく、両文明は接近するのだと主張し、今年の「アラブの春」と呼ばれる民主化を言い当てた。

このようにトッド氏の予言は、彼の表現を拝借すれば、「壊れた時計でも1日に2度は時刻が合う」といった偶然の産物ではない。トッド氏の予言を支えるのは、識字率、出生率、いとこ同士の婚姻率に関するデータである。つまり、すべては、人々の変化を、人口学、人類学、歴史学というツールを使って学術的に分析した結果なのだ。