米国経済は必ず復活する!

<strong>チャールズ・エリス</strong>●グリニッジ・アソシエイツ創設者。イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀のMBA、ニューヨーク大学でPh.D取得。1972年、戦略コンサルティング会社グリニッジ・アソシエイツを設立。2001年から09年まで世界最大級の投信会社バンガードの社外取締役を務めた。
チャールズ・エリス 
グリニッジ・アソシエイツ創設者。イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀のMBA、ニューヨーク大学でPh.D取得。1972年、戦略コンサルティング会社グリニッジ・アソシエイツを設立。2001年から09年まで世界最大級の投信会社バンガードの社外取締役を務めた。

東日本大震災による日本経済の停滞、米国債格下げ、欧州金融危機……世界経済をとりまく環境は厳しさを増しています。

現在、多くの投資家がもっとも注視しているのが欧州経済の動向でしょう。一つ確実に言えるのは、経済も産業も異なるなか、すべての国々が同一通貨で運営していくのはやはり難しいということです。

ユーロを導入している17カ国は、それぞれがれっきとした国家です。すべての政府にドイツのような財政規律を求めるのは不可能です。今後、いずれかの国がユーロから離脱せざるをえないことになるかもしれません。

米国経済への悲観論も広がっています。しかし、私は必ず復活すると断言します。

その理由は、米国の持つ多様性にあります。

米国は高等教育が充実しており、世界中から優秀な人材が集まってきます。高度に発展した民主主義の下、すべての人が平等に能力を発揮できるのがその魅力の一つでしょう。性差、人種、国籍、宗教……異なる意見があることによって多様性が生まれ、それが経済の活力となるのです。

新興国については今後、より大きく、強く、発展していくでしょう。新興国の進学率は急上昇しています。彼らは高度な教育を受け、素晴らしい仕事を成し遂げて豊かな生活を獲得していくはずです。

過去50年間で日本が果たした発展の過程が、いま世界中で起こっています。日本がかつて世界に挑んだように、新興国から新たな戦いが挑まれることになるでしょう。