「お金が好き」は不幸のもと

「あの人はお金が好き」と言われる人が、「お金を貯めるのが好き」と考えていることはあまりありません。たいていの場合、貯めるためではなく、使うためにお金が欲しいわけです。

ひろゆき
撮影=干川 修

「あるだけお金を使う」というクセがある限り、当然、お金は貯まりません。そんな人が少しでも収入が減ったら、以前のようにお金を使えなくなって、ストレスが溜まります。

つまり、「お金が好き=お金を使うのが好き」な人たちは、すでに多かれ少なかれストレスや不安を抱えていることになります。

「欲しいものが買えないストレス」や「収入が下がったら使えるお金が減ってしまうという不安」がつきまとっているわけです。

こんな具合に、幸せにお金を介在させると、不幸になる率は確実に高くなります。

お金を使うことがそれほど好きでなければ、こんな不幸は最初から味わわずにすむんじゃないでしょうか。

だとしたら、「お金があると、お金を使える。すると楽しくて幸せになれる」という魔の公式から、早めに抜け出したほうがいいと思います。

月3万円で生きていける

実際、お金を大して使わなくても事足りることは多いし、楽しい思いだって十分できますよ。

ひろゆき
撮影=干川 修

たとえば僕は、飛行機に乗るときはエコノミーシートを選びます。

仮にパリから東京に飛ぶとして、シートに座っている時間の長さは同じなのに、ビジネスクラスとエコノミークラスとでは10万円以上、値段が違います。

見方を変えれば、25万円のビジネスクラスではなく10万円のエコノミーを選んだことで、「15万円トクした」とも言えるわけです。

たしかにビジネスクラスのほうが乗り心地はいいだろうし、機内サービスも充実しているだろうとは思います。でも、少なくとも僕は、ちょっといい席とサービスのために、15万円もの差額を払う気には到底なれません。

それよりも、エコノミークラスを選んだことで「よし、最低限のコストで目的を果たした」というトクした気分で乗れてしまう。「ビジネスクラスだったら、もっとよかったのに……」とは全然思いませんね。

あと、日本で友だちと飲んだりして終電を逃したときなども、たいていは歩いて帰ります。歩いていれば、その時間にいろいろ考えられるし、健康的だし、タクシー代が何千円も浮いてトクすることだらけだと思うと、3時間とかでも平気で歩けてしまいます。

こういう考えだと、生活費もあまりかかりません。1日1食程度で外食もほとんどしないし、遊びと言えば家で好きなことをやることなので、僕の生活コストはかなり低いですよ。

僕ひとりだったら、海外旅行や東京への渡航費などイレギュラーな出費を除いたら、生活費としては月に3万円もあれば十分楽しく暮らせます。