不安が多いシニア世代に選ばれるワケ

キャンピングカー人気が続いている理由。それはずばり、こうした「自由度の高さ」に気づいた人が増えているからである。

宿のチェックイン時間にしばられることもない。渋滞を避けたいなら、人が走らない時間帯を選んで出発すればいい。金曜日の深夜に出発、疲れたらサービスエリアや道の駅で短時間の仮眠。渋滞知らずで、目的地に近づける。せっかくのんびり寝ているのに、宿の朝食の都合で起こされることもない。

気まぐれに目的地を変更するのも(どこかにキャンプ場などを予約していれば別だが)自分次第だ。キャンピングカーがシニア世代に人気があるのもそうした理由からだろう。トイレが近い人は好きなタイミングで休憩できるし、体調に不安がある人はちょっとでも不調があれば、切り上げて帰ればいい。

「大切な家族」と一緒に旅ができる魅力

キャンピングカーはペット連れの人にも人気がある。

「ペットと泊まれる宿」は少しずつ増えているようだが、出かけたい先にそうそう都合よくあるとは限らない。また、ほとんどの施設が「犬」を想定しているので、その他の動物を飼っている人が利用できる宿はさらに少ない。

解決策として、ペットホテルやペットシッターという手もあるが、お金もかかるし、そもそも大切な家族の一員を置いて出かけることに抵抗を感じる人もいる。その点キャンピングカーなら、一緒に連れて行けるしコストもかからない。

車内にいる犬
写真=iStock.com/photography-wildlife-de
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実際、キャンピングカー愛好家にはペット連れの人が多い。私がこれまで見てきただけでも、犬、猫はもちろん、ウサギ、インコ、タカ、フクロウ、カメ、サル、ヘビ……実にさまざまな「大切な家族たち」がいた。ちなみにわが家は猫6匹を連れている。

日本RV協会の調べによれば、35.4%の人が、キャンピングカーで旅をする目的の一つに「ペットを連れていく」を挙げているという。ペットブームとキャンピングカーブームがシンクロしているともいえそうだ。