保険の選び方ベストアンサー

認知症保険は種類が豊富にあります。加入を検討する際は、まずはリスクを洗い出し、それに合った商品を選ぶことが必要です。ポイントをいくつかご紹介します。

治療保障の場合、まずは「保険金の受け取り方法」。定額の給付金を一時金で受け取れるタイプと、終身年金として受け取れるタイプがあります。一時金タイプは、「できるだけ割安な保険料で加入したい」「初期費用に備えたい」という人向けの商品。一時金の額は30万~300万円と幅広く、最近では、最高1300万円の保障をつけられる商品も登場するなど高額化しています。年金タイプは、「認知症介護が長引いたときの負担増に備えたい」という人に適しています。年金の額は10万~60万円で、要介護認定など体の状態に連動して給付金額が異なります。保険料は高額になりますが、両方に加入することも可能です。

さらに、「単体か特約か」。保険には認知症の状態になった場合のみを保障する商品と、介護保障や医療保険が付加されている商品があります。認知症以外に、幅広い介護や疾病、死亡リスクなどにも同時に備えたいなら、特約の商品を選びましょう。ただし、保障範囲が広くなると保険料は割高になります。いずれかの保障が不要になったときに見直しにくいのも難点です。

治療保障、損害補償で共通するのは「加入条件」。原則として認知症保険は、発症前に加入するものです。しかし、中には要介護認定や認知症と診断された後でも加入できる商品があります。一方で、持病を抱えていて健康体としては加入できないものもあります。持病や要介護認定・認知症診断の有無、年齢などの加入条件を満たした商品を選ばなければなりません。

損害補償タイプの保険金支払い例

保険を選ぶときに必ず注意しなければならないのが、「給付条件」です。給付までに一定期間が設けられている商品については、認知症と診断されてもすぐに給付を受けられません。また認知症を発症すると、加入していることを本人が忘れてしまうこともあります。そのため、保険に加入した事実や保障内容を家族で共有しておく必要があります。本人に代わって家族などが保険金を請求できる、指定代理人を決めておくこともおすすめです。

様々なリスクをカバーしようとすると保険料が高額になりますが、それほど予算を割けない場合は「少額短期保険」という選択肢もあります。保険料が月々数百円からと少額で、コンパクトな保障を受けられます。保険期間は短期ですが更新することもでき、加入のハードルも低いといえます。治療保障も損害補償も、90歳まで入れるものがあります。「とりあえず認知症に備えて何か入っておきたい」というニーズに合うでしょう。