介護の中でもお金がかかるといわれる認知症。医療費や介護費だけでなく、徘徊してトラブルを起こし、高額な賠償請求をされるケースも……。子世代の経済不安を軽減してくれるのが「認知症保険」の存在だ。80代になってから、それもすでに認知症を患っていても加入できるものがあるという――。「プレジデント」(2021年9月3日号)の特集「認知症の全対策 2021年最新版」より、記事の一部をお届けします――。
老婦人の手に触れる
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ボケた親が他人に危害を加えてしまったら

認知症の介護は、付き添う時間が多く、介護サービスを長期間要するため、費用が高額になりがちです。家計経済研究所「認知症の状態別にみた費用」の16年調査結果によると、要介護度1以下の場合の1カ月の介護費用の平均は、認知症がなければ2.1万円に対し、認知症重度の場合は5.7万円。1年間で換算すると、43万円もの差額が生じます。

このような経済的負担を軽減するのが、認知症保険。認知症に特化していない民間介護保険(以下、介護保険)でも、所定の要件を満たせば認知症はカバーされます。しかし、それだけでは不十分となるケースが多い。そのため、認知症に特化した保険の必要性は大きいのです。中には、認知症になってから入れる保険もあります。詳しく解説していきましょう。

「プレジデント」(2021年9月3日号)の特集「認知症の全対策 2021年最新版」では、本稿のほか、正しいケアや予防法、世界が注目する新薬、介護に関わる夫婦衝突の対処法など、家族に立ちはだかる壁を乗り越えるための情報が盛りだくさんです。「親の顔」を思い出す節目でもあるお盆に、ぜひお手にとってご覧ください。