マル同士の配置や構成がある程度決まったら、それぞれを矢印でつないで関係性を表します(図表3)。
矢印の使い方で、「連続性」「場面の展開」「思考の流れ」「対立」「双方向性」「拡散」「収縮」など、さまざまなパターンが表現できます。
まずは気楽に図を描いてみよう
何かを考えたり、伝えようとするとき、各項目が箇条書きで並んでいる場合にはあまり気がつきませんが、それらを使って図を描こうとした途端に、それぞれの情報を選別しようとする意識が立ち上がってきます。どの項目が大きいか小さいか、どのキーワードの優先順位が高いか低いかと、いわば遠近法のような考え方で対象を眺めるようになります。
頭では何となくわかっていたつもりでも、実際に図を描きながら各項目を並べてみると、不足している情報や新たな情報が自然に見えてくることが実感できるでしょう。キーワードや情報が浮き彫りになってくるといった感覚です。
そして、新たに収集すべき情報や自分で考えるべきポイントなどに気づくでしょう。そうやって調べたり考えたりしながら情報をつけ加えたり、消したりしていくと、図解は見違えるようによくなってきます。つまり、図解には考えを発展させる何かが含まれているのです。図解を友とすることによって、思考の幅が広がり、その結果、仕事や生活の質が高まってくるのです。
図解には、「完全な図解」や「間違った図解」というものはありません。あるのは「よりよい図解」と「より悪い図解」の2つだけです。
また図解は、無理にまとめる必要はありません。曖昧な状態で終わる場合もあります。まとめ切れない場合はそれでいいのです。無理をして正解を求めようとすると、文章で曖昧なまま、まとめるのと同じで、わかった気になって終わり、ということになってしまいます。最後のところで答えが出なくても、わからないものはわからないままにして、何度も考えてみることが大切です。
そんな気楽なスタンスで「図解」を始められてはいかがでしょうか。しばらくすると、その蓄積で、自分で考える習慣が身につき、いいアイデアを考えつける面白さを味わえることにつながるでしょう。