一人ひとりのニーズに合った「おすすめの一品」を伝えたい

売れ筋ランキングは、扱いやすさ、購入しやすい価格などさまざまな評価で成り立っています。また、広告による好印象も大きな要因かもしれません。構造的な特長などをうたった広告商品はリーチされやすく、ランキングが上がる傾向にあります。

カスタマーレビューはあくまで、その一品を気に入ったかという絶対的な評価でしかありません。僕たちのように何十種類もグラスごとに飲み比べて、相対的な評価をしている人はいないでしょう。カスタマーレビューを参考にするのはいいことです。しかし、すべてを鵜呑みにしていては、あなたが探し求める一品には出合えないかもしれません。

飯田結太『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)
飯田結太『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)

飯田屋では、カスタマーレビューには書かれることのない情報や知識、相対的な評価を伝えます。だから、お客様は感動してくださいます。どれだけの多くの人の情報よりも、たった一人の情報により大きな価値を持たせることも可能だと信じています。

僕たちは一人の専門家として、一人ひとりの異なるニーズに合った「あなたにおすすめの一品」を、自信を持って伝えていきたいのです。それこそが実店舗が生き残る道です。

それは難しいことではありません。大切にしているお客様にただ喜んでいただきたいという一心で、いろいろと商品を勉強して販売するだけのこと。それは、昔から多くの店で普通に行われていた営みにすぎません。

最近、どの店もやたらと近道を求めすぎる風潮があります。それが「実店舗はネット通販に負けてなくなる」という話につながっているような気がしてならないのです。

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