理由を3つ述べた例
例えば、「次回のイベントでは500人以上確実に集客すべきと考えています」という提案の理由として、
「理由は3つあります。第一に、前回の参加者は300人で、完全に赤字運営となりました。これを繰り返すわけにはいきません。今回の企画における費用増を考えると、最低でも400人が必要です。20パーセントの安全を見て、500人以上を集客すべきと考えました。
第二に、前回は単独開催でしたが、今回は東京ビッグサイトでの他のイベントとの共催が可能です。お互いにかなり効果的な集客が可能になります。
第三に、ターゲット参加者の年齢層が下がるので、Twitterキャンペーンが効果的に活用でき、前回よりははるかに容易に集客できます」
と説明すると、多面的に検討したことがよく伝わり、「それなら大丈夫そうだ」という安心感を与えます。いわゆる、「仕事ができる人」というイメージです。それに対して、理由が1つだけだと、人はどうしても何か反論したり、あら探しをしたりしたくなってしまいます。
説明する側から見ると「当然これしかない」と思うので、理由を3つも探すのが面倒だ、という気にもなります。まさにそういう時こそが間違いを起こしやすい状況ということもあり、不遜な態度が垣間見えることもあるので十分な注意が必要です。
ビジネスの場だけでなく家族との話し合いでも
また家庭などでも、「9月に予定した家族旅行では、なぜ沖縄ではなく北海道に行きたいのか」という時、
「台風シーズンだから北海道のほうが安心だよ。北海道のほうが食べ物がいろいろありそうだし。まだ行ったことがないから一度行ってみようよ」
と言われたら、まあ話を聞いてみようかなという気になってきます。ここでも、「北海道に行ったことがないから行きたい」だけだと、聞いている側は、「でも食べ物はどうなのかなあ。沖縄の料理とか焼酎とかも魅力的なんだけどなあ。それに北海道は、寒くないのかなあ」といった懸念が生まれるので、スッキリしないのです。
「行きたいから行きたい。理由はないけど行きたい」というのは、もちろん論外です。