脱線話をうまく引き戻す仕切り上手のツボ
会議に積極的に参加した結果、議論が白熱するのは好ましいことですし、短めの脱線話なら、よい気分転換にもなります。
しかし、しばしば要領を得ない発言をダラダラ続ける人や、いつの間にか自分の自慢話にすり替わっている人がいます。こういう人のせいで、せっかくの貴重な時間を浪費してしまうのはもったいないことです。
例えば、あなたが進行役のミーティングで脱線話を長々とする人がいたとしましょう。
苦笑いをしながら黙ってがまんしている
気心の知れた相手なら「ちょっと時間が押しているので、巻きで(短めに)お願いします!」などと冗談っぽく注意できますが、気を使う上司やお客様となると困るのではないでしょうか?
そんな時に役に立つのが、雰囲気よくやんわりと場を仕切るフレーズです。
例えば、脱線した話をやんわりと戻したい時には「クッション言葉+結論を催促」がおすすめです。
クッション言葉とは、「恐れ入りますが……」など依頼やお断り、意見・反論をする時に、きつい印象にならないように先に挿入して使う緩衝材となるフレーズです。
「ご発言中ですが、要約させていただくと……」
「お話の途中で恐れ入りますが、今の発言の意味は○○ということでよろしいでしょうか?」
こんなふうに言えば、話が脱線した相手に不快感を与えずに、うまく軌道修正できます。
また、
「興味深いお話ですが、そろそろ本題もお伺いしたいです」
「そのお話は、また別の機会にお伺いするということで……」
というやんわりしたフレーズで本題に引き戻せば、相手を嫌な気にさせず、ちょっと話しすぎたかなと気づいてもらえます。
「さすが!」と言われる仕切り直しフレーズ
心証を悪くさせないコツは、おどおどせずに朗らかなトーンで、「本当は続きを聞きたいけど時間の都合で申し訳ない」というニュアンスを伝えることです。
このテクニックは、オンラインでも使えます。
オンラインでは、発言のルールをあらかじめ決めておけば、比較的仕切り屋タイプの人が勝手な話の展開に持っていくことは少ないはずですが、話が迷走する人は出てきますし、意見が対立して空気が険悪になることもあります。そんな時に有益なのが場を仕切り直すフレーズです。
・話が迷走気味の人への助け舟の例
「要約すると、どういうことですか?」
「結局のところ、○○について、どうなのでしょうか?」
・空気が悪くなった時
「このあたりで一度これまでの話を整理して方向性を確認しませんか?」
こうした場を仕切るフレーズをいくつか用意しておくと、いざという時に焦りませんし、何より「場をうまくまわせる」と「さすが!」と言われます。