日本がUEFAに加盟するほうが現実的

Jリーグがイングランドのプレミアリーグや欧州スーパーリーグをしのぐ日が来る可能性はゼロではないとはいえ、果てしない改革が必要となる。非現実的だろう。

閉塞感の打破には、アジアを飛び越して、例えば、日本がUEFA(欧州サッカー連盟)に加盟し、日本代表やJリーグのクラブがNL(ネーションズリーグ)やCL(チャンピオンズリーグ)に出場するという方が、可能性があるのではないだろうか。

何を突拍子もないことを言うのか、と思うなかれ。中東のイスラエルがAFC(アジアサッカー連盟)からUEFAに移籍し、オセアニアの豪州がAFCに移籍した前例もある。

日本のプロスポーツに欠けた視点

閉塞感、停滞感は、Jリーグだけの問題ではなく、日本のプロスポーツリーグ全体にいえることだ。問題は共通しており、「日本のプロスポーツはいまいちうまくいっていない」のだ。

プロ野球は安定しているがおなじみの12球団での試合だ。1リーグ化や沖縄、四国、新潟、北関東などを加えた16チーム化といったワクワクする構想も、既得権益が絡み進展はない。ラグビーの新リーグも名称さえまだ発表されていない。鳴り物入りでスタートしたバスケットボールのBリーグや卓球のTリーグにも勢いは感じられない。

2011年9月30日の東京ドーム
写真=iStock.com/winhorse
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Jリーグ同様に、日本のプロスポーツリーグには、①儲かるのか、②ワクワクするのか、という視点が著しく欠けている。この2つの視点は、プロリーグのスポンサーであり取引金融機関である事業会社や金融機関にも当てはまることだ。

スポンサー企業により成り立つ多くの日本プロクラブでは、経営陣は「大丈夫だ、問題ない」と根拠のない笑顔を振りまきながら、抜本的な改革などに踏み切れず、痩せ我慢の末に、最後は身売りや解散となって、選手やファンに多大なるダメージを与えてきた。欧州スーパーリーグのように、ワクワクする、儲かる仕組みをつくり、閉塞感や停滞感を打破しなければ、ニッポンのプロスポーツリーグには明るい未来はない。

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