裁判所もはっきりと違法性を指摘
改めて指摘するまでもなく、裁判(第一審、横浜地裁)は、Aさんサイドの全面勝訴。
その判決文には、以下のくだりが出てくる。
「作田医師は、原告について、『受動喫煙症レベルIV、化学物質過敏症』と診断しているが、その診断は原告を直接診断することなく行われたものであって、医師法20条に違反するものと言わざるを得ず―以下略―」
つまり裁判所は、判決文という公的文書の中で、作田理事長の行為は違法であるとはっきりと認定してしまったのだ。
そのことの持つ意味は、極めて重いと言わざるを得ないだろう。
作田学理事長は、その本業である医師としての適格性に疑義が突き付けられたと言っていい。
そもそも作田氏が理事長を務める「日本禁煙学会」は、「学会」を自ら名乗ってはいるものの、世間一般に認識されているような「学会」ではない。具体的には、日本学術会議の認定を受けた「学会」ではないのだ。このため過去、日本学術会議サイドから、「学会という名称を使うな」とのクレームがたびたび入っているという。
ならば、この「日本禁煙学会」なる団体の目的とは、いったいいかなるものなのだろうか。
同団体のホームページを見ると、その目的は大きく2つあることがわかる。
一つ目は、禁煙および受動喫煙防止に関する学術研究・調査の推進。
そしてもう一つが、禁煙および受動喫煙防止を推進すること。
このことからもうかがえるように、作田理事長および日本禁煙学会としては、前述の裁判が二つ目の目的を実現する上で役立つと捉えたのだろう。
喫煙しているだけで誰しも訴えられる可能性があるという恐怖
つまり喫煙者に対して高額の賠償金を請求する訴訟を提起することを通じて、世の中の喫煙者を強く牽制する目的、狙いがあったのではないだろうか。
もしそうだとすると、これほど恐ろしいことはない。
喫煙者はタバコを吸っているという理由だけで、「日本禁煙学会」もしくは作田理事長の思惑一つで、いとも簡単に高額訴訟の被告席に座らせられてしまうこともあり得ることを考えると、喫煙者にとってはまさに恐怖だろう。
しかもその“証拠”として、意図的に捏造された“診断書”なるものが、裁判所に提出されたら……。
今回のこの一件は、決して人ごとではない。
こんなことを許していたならば、日本の裁判制度は崩壊してしまうことになるはずだ。
そうした状況を防ぐためにも、作田理事長の違法行為は厳しく断罪されるべきだと思うが、いかがだろうか。
結果的に作田理事長によって被告にされてしまったAさんは、その作田理事長の刑事告発(詐欺罪及び虚偽公文書行使罪)に踏み切った。
さて、検察庁はこの告発をどのように判断するのだろうか。今後の動きには、要注目だ。