自己都合の退職を会社都合に変更する方法

次に、雇用保険について紹介します。コロナ禍で業績が悪くなり、希望退職を募る企業もあります。会社を辞め求職活動をしているときには、雇用保険から失業給付(基本手当)を受け取ることができます。

このとき、退職の理由が会社都合(特定受給資格者)なのか、自己都合なのかによって失業給付を受け取れる日数(金額)が変わります。人員整理などを目的とした恒常的ではない希望退職の場合は会社都合となりますが、一見、自己都合で辞めたと思われている場合にも会社都合とみなされる場合があります。

【図表2】失業給付の受給期間

たとえば、1カ月に45時間以上の残業が3カ月以上続いた場合は、会社都合の退職として失業給付を受けられる可能性があります。パワハラなどがあった場合も同様です。

自己都合か会社都合かは、退職時に会社が発行する離職票に記載されています。これをハローワークに提出して失業給付の手続きをしますが、その際に、残業時間の長さなど疑問に感じることがあれば相談をすることで、ハローワークにて審査をし、会社都合に変更される可能性があるのです。ただ、長時間の残業が続いたことを証明する必要がありますので、そのための資料を用意しておきましょう。

資格取得の講座受講は最大10万円受け取れる

雇用保険には失業給付のほかに教育訓練給付金もあります。これは、資格取得の講座などを受講した際に、費用の2割が10万円を上限に給付されるものです(一般教育訓練給付金)。対象となるのは「厚生労働大臣の指定」の講座です。厚生労働省のサイトで検索できますし、講座を実施している企業のサイトにも「教育訓練給付対象」と表示されていることが多いのでチェックしてみるといいでしょう。

教育訓練給付金を受けるには、雇用保険に3年以上加入していなければなりません。ただ、初めて給付を受ける場合には、1年以上の加入で対象となります。