“伝説のプレゼン”を目撃して自身の欠点に気づく

スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを聞きながら、私は考えていました。コンピュータ会社だったアップルが携帯電話で世界市場に参入したあの現場でじっと座り、自分に欠けていた点を実感していたのです。

クォン・オヒョン著『ナメられない組織の作り方』(KADOKAWA)
クォン・オヒョン著『ナメられない組織の作り方』(KADOKAWA)

アップルがスマートフォンという新しい産業を創出することを、私は予測できませんでした。たまたまモバイルデバイス用半導体が準備できていたおかげで革新的な部品供給者となりはしましたが、完成品そのものの登場を予測できなかったのは失敗でした。

スマートフォンは通信産業と連携する必要がありますが、アップルが通信産業とは無関係なコンピュータ会社だったことから、こうした未来志向の歩みが予測できなかったのです。

人の可能性に考えが及ばなかったのが、私の判断ミスでした。

世間はそれこそ光の速さで進んでいるのに、自分の対応はあまりに呑気だったのではないかと深く反省した時間でした。

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