これまでのネーミング代表格3つ
ウォークマン
それまでではあり得なかった、外を歩きながら音楽を聴くことができる、というイノベーションを起こす目新しい機能を、とっつきやすい親近感のある言葉で表現。
ごはんですよ!
1950年当時に発売された「江戸むらさき」という海苔佃煮を、子供にも食べてもらえるようにと甘くて柔らく仕上げて73年に発売。子供にも食べてほしい、ということが直感的に分かる表現。
無印良品
読んで字の如く、ノーブランドという名のブランドであることをシンプルに示しています。ブランド名に頼らず、高品質な商品を提供します、ということをたったの4文字で表現。
まだまだ優れたネーミングの商品例はたくさんありますが、前述の例を見ると、「機能をうまく表現したネーミング」(ウォークマン)、「企業姿勢をうまく表現したネーミング」(無印良品)、「誰がターゲットかを想起しやすいネーミング」(ごはんですよ!)などが良いネーミングのポイントであることが分かります。
新しい切り口「情緒ネーミング」
ところが最近は、その商品を使うとどんな気分になるか、あるいは、その商品はどんな気分の時に使うものかということを感じさせるネーミング、いわば「情緒ネーミング」が新しい切り口として、Z世代から注目を集めています。
LEBECCA boutique
「静かなロマンのワンピース」「力を借りるオックスフォードシューズ」など、情緒的なネーミングの商品を販売するオンラインファッションストア。
SHISEIDO PICO STORY
ミニサイズコスメブランド、「SHISEIDOPICO」の新作リップとネイル。各色は東京の1日を表現した「甘い余韻」「路地裏に猫」「皇居ラン」などのネーミングがつけられている。
このように、情報過多で何を買ったらよいか悩みやすい時代に、直感的・感覚的に商品を選択できるのが利点のようです。
若者の心をつかむ過剰ネーミングも
もう一つ流行っている新しいネーミングの手法があります。それが「過剰ネーミング」です。
やりすぎアイスバー
セブン-イレブン限定で売られている「やりすぎアイスバー」。「おおすぎ~。」「すっぱすぎ~。」「さわやかすぎ~。」がある。
つぶつぶつぶつぶコーンポタージュまん
セブン-イレブンが2019年10月に発売した新作中華まん。「つぶ」が多いネーミングに惹かれ、手を伸ばす人が多く見られた。
あと5分待ってて。中のアイスがとろっとしてくるから。パイン味のアイスバー。
とにかく名前が長く、どんな味か気になる、と話題に。
こういった一風変わったネーミングでZ世代は、実際にどの程度そうなのかを試したくなり、つい購入してしまうようです。