サラリーマンの給与から天引きされている年金保険料が、どこへ行くかご存じだろうか。月々きちんと積み立てられ、運用されたものが老後に全部もらえると思ったら大きな誤解である。

もともと日本の年金制度は、現役時代に自分が払った保険料を老後に受け取る、いわゆる「積み立て方式」が取られていた。それが1970年代に、積み立て方式から、受給世代を現役世代が支える「賦課方式」に切り替えられた。私たちの保険料は、払った瞬間に、いま老後を迎えている高齢者への年金として給付されているのだ。

高齢者よりそれを支える現役世代が多い社会では、賦課方式のほうが皆にとって得となる。ゆえに戦後すぐの日本のように人口増加率が高い時代は、多くの国で積み立て方式から賦課方式に切り替えられた。だが一定の経済成長を遂げると、どこの国でも人口は減っていく。