疑問は絶対に放置してはいけない

ではどうすればよいか。

「まず、ある時期、マストとネバーを誰も見ていなくてもやりとおすという習慣性を徹底的に身につけることが第一です。次に、いいことはいい、悪いことは悪い、分からないことは分からないこととしてちゃんとコミュニケーションを取り、自分の中で意見を持つ」

安部修仁『大逆転する仕事術』(プレジデント社)
安部修仁『大逆転する仕事術』(プレジデント社)

吉野家には、創業者の松田瑞穂氏が作り上げたマストとネバーを徹底するという企業文化に加え、倒産から再建に導いた増岡章三弁護士に叩き込まれた数多くの選択肢を提示し、遠慮のない議論を戦わせ、その中から最善を選択するという二つの組織文化がある。

「今のリーダーたちも共通して、若い時は疑問を放置せず、言わば、先輩・上司にしつこく食らいつく生意気な若者だった人たちです。ですから、会社の方針やあり方にどうしても納得がいかない、何度、上司と話しても埒があかないし、それでも自分の意見が正しいと信じるならば、さらにその上の上司に『なぜですか?』と意見具申しなさいと」

数々の逆境を乗り越える原動力は、そんな吉野家の自由闊達な意見を言い、議論を戦わせることができる、「生意気をよしとする組織文化」から生まれている。

(文=プレジデント社書籍編集部)
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