「自称ファン」からの危険な郵送物やSNSメッセージ
メディアへの露出が増えると、ファンも増えてくる。なかにはとんでもないファンがいたそうだ。
Aさんが所属していたチームは手紙や荷物のなかで、送り主が分からないものはスタッフが確認したうえで選手に渡していた。当時のプレゼントには、通信販売されているようないわゆるアダルトグッズが入っていたことも。Aさんは引退後にそういうことがあったのを知ったという。ファンレターも“危険な内容”なものは選手に手渡されることなく破棄されていた。
現在は選手自らがSNSを運営していることが多く、言葉のナイフが選手にダイレクトに届いてしまう。これも悩ましい問題だ。そのため、実名でのSNSを禁止しているチームもある。
一方で美女やイケメンは選手としての“商品価値”を高めるものでもある。シンクロの青木愛は北京五輪でチーム5位、新体操の畠山愛理はロンドン五輪で団体7位、リオ五輪で団体8位だった。彼女たちには競技者として同レベルのチームメートがいたはずだが、美貌やキャラクターが注目されたことで、引退後のキャリアにつながっている。
「現役時代はチームに守られていました。競技をするうえでは非常にありがたかったですけど、今思うと甘やかされていたようにも感じます。競技以外、何もできないために、引退後にキャリアがブツッと切れてしまうんです。他人の言葉が気になる人はSNSはやらないほうが競技に集中できると思います。でも、アスリートとしての価値を高めて、セカンドキャリアにうまくつなげていくことを考えたら、自分自身で発信していくことも大切じゃないでしょうか」(Aさん)
SNSで多くの人とつながるようになり、高性能カメラも手に入りやすくなった。ひと言でいうと世の中は便利になっている。だからこそ、アスリートはSNSの使い方を考えて、ファンはモラルを守る。そういう時代がやってきたようだ。チケットを購入したからといって何をしてもいいわけではない。アスリートが心おきなくパフォーマンスを発揮できる環境をつくることが、ファンに課せられた最低限のマナーなのだ。