ピコ太郎のPPAP(Pen Pineapple Apple Pen)がはやった2016年は、ピコ太郎風の金色と黒のコスチュームを着た人をよく見かけました。2017年には2人組の男性を引き連れて「35億」を連呼する「中途半端なブルゾンちえみ」が渋谷にたくさん出没しました。

今年、もしもコロナ禍でなければ、「鬼滅の刃」のコスチュームを着た若者で、渋谷はあふれたでしょう。今年ブレークした「フワちゃん」風の人も見られたのかも……。なんていろいろと妄想してしまいます。

「大人の用意した空間」で思いっきりハメを外すのは難しい

「実際に集まらなくても、仮装はオンラインでやればいい」という声が聞こえてきそうです。実際に冒頭の渋谷区長は#StayVirtualを掲げ、アバターと呼ばれる自分の分身を作って、バーチャル空間での参加を呼び掛けています。区公認のプラットフォーム「バーチャル渋谷」で26日からバーチャルイベント「バーチャル渋谷au 5Gハロウィーンフェス」が開催されています。仮想空間でのオンライン仮装コンテストも開かれているそうです。

ただ、渋谷のハロウィーンが近年「ハメを外せるイベント」だったことを考えると、区の大人たちがオフィシャルに「どうぞ」と用意した仮想空間で若い人が思いっきり楽しめるのでしょうか。個人的には微妙なところだと思います。

2018年のハロウィーン、仮装した人々で込み合う渋谷
写真=iStock.com/CHENG FENG CHIANG
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自分が若かった時のことを考えると、大人が用意した「はい、どうぞ」的な空間はあまり面白くなく、仲間内で自主的に集まって現場でワイワイやることがやっぱり楽しかったです。そもそも家の中で仮装をしたところで、たとえば親が同じ部屋などにいる場合、あまりはっちゃけることができないような気がします。

ハロウィーンは近年「お行儀よくしなくてよいイベント」だったはずです。もちろん軽トラックを横転させるのは論外ですが、コロナ禍で「お行儀の良いイベント」になりつつあるのは否めません。このご時世なのでそれが仕方ないのは多くの人が理解しているところだとは思いますが……。

中途半端にやるより、数年後に持ち越したほうがいい

日本にはたくさんのお祭りがありますが、今年はねぶた(青森)、祇園祭(京都)、阿波おどり(徳島)をはじめ、地域に根差した祭りの多くがキャンセルになってしまいました。

神輿みこしもキャンセルが相次ぎましたが、たとえばバーチャルで神輿を担ぐことを考えると、どうなのでしょう。やっぱり盛り上がりに欠けるのではないでしょうか。「下帯を締め、はっぴ姿に身を包む男衆」から伝わってくる熱気は「現場にいてこそ」だと思います。

そんなことを考えると、ハロウィーンに関しても個人的には今年は禁止とは言わないまでもキャンセルでいいのではないかと思ってしまいます。