10代は自粛期間中にチャレンジメイク
新型コロナウイルスの感染拡大は、さまざまな業界に影響を及ぼしている。その1つがコスメ業界だ。インバウンドが止まって訪日客の爆買いがなくなっただけではない。外出自粛の影響で、メイクの機会そのものが減っているのだ。
サイバーエージェント次世代研究所が行ったファッション・美容・居住環境についての意識調査によると、自粛期間中に「最低限のメイクに抑える」と回答した女性は23.2%に達した。また、「コロナでメイク需要が減る」と回答した女性は19.3%だった。
自粛期間でも、オンライン会議や近所への買い物などで人目に触れる機会はある。しかし、スクリーン越しやマスク越しなら多少は手を抜いてもバレはしない。メイク需要が落ちているのも納得だ。
ただ、細かく見ると、年代によって自粛期間中のメイクに温度差があることがわかる。「メイク需要が減る」という回答の割合が最も高かったのは20代で、22.2%。同じ若年層でも15~19歳は15.2%と、逆に最も低かった。
また、自粛期間中、「普段しないメイクをしたい」と回答したのは20代が4.3%だったのに対して、15~19歳は13.4%だった。全年代の2.8%に比べるとどちらも高かったが、10代のほうがメイクにより強い関心を抱いている。
同じ若年層でも、10代と20代で自粛期間中のメイクの意識が異なるのはなぜなのか。サイバーエージェント次世代研究所研究員の松野みどり氏は「義務か、楽しみかの差」と分析する。
「20代のメイク需要が減っているのは、その多くが社会人だから。マナーとしてのメイクを毎日強いられているため、職場に行かなくていい状況ならメイクを休みたいというのが本音でしょう。一方、10代の多くは学生で、学校ではメイクが禁止されていたり、派手なメイクは浮いたりする。普段は我慢しているので、学校に行かなくていい状況ならむしろ積極的に楽しみたいと考える人が他の年代より多いのでしょう」