追い詰められた韓国は反日政策が頼みの綱に
8月28日に安倍晋三首相が辞任を表明した。それに関して韓国国内では、韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が、今後の日韓関係に関して希望的な見通しを持つことには慎重になるべきとの見解を示した。おそらくその通りだろう。日本側からすれば、次期首相が徴用工問題などで大きく韓国へ譲歩することは考えにくい。
韓国サイドとしても、対日問題よりも優先すべき問題が増えている。韓国の経済環境は厳しい。8月まで6カ月連続で韓国経済の屋台骨である輸出は減少し、所得・雇用環境の悪化懸念は強い。その状況に世論は不満を募らせている。
経済対策に加え、文氏は米中対立が激化する中で習近平国家主席の早期訪韓の用意があることを伝えた中国への返答も準備しなければならない。現状、文政権がわが国への対応に力を割くゆとりは小さくなっているといえる。
重要なことは、それが、文政権の対日政策の変化を意味するといえないことだ。二大重要政策の片方である南北宥和が難航した結果、文氏にとってもう片方の看板政策である反日政策の重要性は増しているだろう。
今後、支持の回復を狙って文氏が反日の姿勢を一段と強める可能性は軽視できない。元徴用工への賠償問題をはじめ、日韓関係はさらに厳しい状況を迎える恐れがある。
わが国は実害発生を回避するために安倍政権の対韓政策を強化し、一切の譲歩を排して日韓請求権協定などの順守を韓国に求めればよい。そのために、わが国と国際社会の関係強化の重要性は一段と高まっている。