だからマクロンはスゴイ

人生を充実させるには、良好な人間関係を築くことも重要です。パートナーに友人、知人……どんな人間関係であれ、大事な人たちと良好な人間関係を継続するには、その人が「面白いかどうか」がカギです。

例えばフランスでは大人になる頃、気の利いた会話を学ぶ機会があります。エスプリに富んだ会話ができると、人とのコミュニケーション、ひいては人生がより楽しいものになりますよね。

フランスのマクロン大統領も、ウィットに富んだ会話ができるスマートな人物です。エリート投資銀行家だった彼は、36歳の若さで経済・産業・デジタル大臣に就任しました。

ですが、年が若く、選挙を経ずに大臣に抜擢されたことにより、メディアからは手厳しい評価を受けました。

大臣就任後しばらくして、エリゼ宮(仏大統領官邸)でダンスパーティーがあり、彼は24歳年上のブリジット夫人を伴って参加しました。そこで悪意たっぷりの新聞記者がマクロンに「今日はお母さんと一緒においでになったんですか」と意地悪な質問をしました。

そのとき彼はどう答えたと思いますか?

「おお、可哀想に! 君の目は節穴なんだね。パリで一番かわいい僕の妻の姿が目に入らないなんて」と切り返したと聞きました。

お見事の一言に尽きますよね。

これがニュースとなって大きな話題を集め、彼は大統領選挙で100万票超の女性票を獲得したといわれています。

こんな応答は付け焼き刃では出てきません。日頃から読書をするなど、たくさんの教養に触れていたことの賜物だと思います。

今だから言う。男子よ、厨房に入れ

人から感謝され、よりよい人間関係を構築するには、「料理」も一役買うことをご存じですか。

出口食堂

僕の大学時代のクラスメートで次のような人がいます。定年後、奥さんから「今まであなたは仕事を頑張ってくれたから、私は食事を作ってきた。でも今は働いていないよね。だから今日からはあなたの食事は作りません」と宣言されました。「ひどいな」と彼は感じたものの、妻の言うことも筋がそれなりに通っていると思い、料理学校に通い始めたそうです。すると、料理がどんどん面白くなり、自宅でも作るようになり、奥さんとの関係も良好になったというのです。

さらに、地域の会合で出会った同世代の人たちを誘って、ホームパーティーをすることもあるそうです。みんな喜んで、いろいろなお土産を持って遊びに来てくれるとか。料理を始めてから、美味しいものをリーズナブルに楽しめて、地域の人気者になって、こんなに素晴らしいことはないと、彼は話していました。

何を隠そう、僕自身も、料理をすることが好きです。外出自粛期間中は、おかげで料理のレパートリーが増えました。「出口食堂」と称して、その日作った料理をツイッターやフェイスブックに投稿しています。先日は学生のシェアハウスに、ディスカッションをするために呼ばれた際、夕方になったので僕が料理をふるまいました。ごくシンプルなポークカレーでしたが、みんなから喜ばれて、自分も嬉しくなりました。