2001年度に4310億円という創業以来の大赤字を計上したパナソニック。08年度はそのときに次ぐ、大幅な赤字となった。三洋電機の買収、欧州での白モノの展開、新興国市場での戦略は。経営学者とジャーナリストの2つの顔を持つ長田貴仁氏が、大坪社長に話を聞いた。
薄型テレビ・リチウムイオン二次電池のシェア
【長田】これまで二次電池というと、主に携帯電話やパソコンで使われていましたが、近年、ハイブリッドカーでの利用が非常に拡大しています。今、トヨタ自動車との合弁会社(パナソニックEVエナジー)を持つパナソニックは、もちろんトヨタを中心に供給していかれるでしょうが、三洋ブランドの二次電池事業とどのようにすみ分けられるのでしょうか。また、家電製品などについては、重複している部分もありますし、整理、統合も含めてお話をおうかがいしたい。
【大坪】トヨタさんと合弁会社をやってきましたので、当然、ニッケル水素をリチウムイオンに変えるという話はその延長線上にあります。それから三洋さんは、リチウムイオンの技術そのもので自動車メーカー各社から高い評価を受けておられるので、そこをどううまくまとめていくかということを強く認識しています。それ以外の領域では、たしかに三洋さんと重複するところがあります。しかし、そうでないものも少なくない。例えば、エアコン、冷蔵庫、冷凍庫。我々は民生用オンリーなんです。それに比べ、三洋さんは民生もやっておられますが業務用にかなり強い。「家まるごと」提案となると、パナソニックの商品群、技術を主体に三洋さんの太陽光発電を組み合わせて完結します。しかし、「ビルまるごと」となると三洋さんの力が強い。それでも重複するところは、ポートフォリオ(マネジメント)で見て道理にかなった考え方をすればいいと思います。
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