昨年のリーマン・ショック以降、世界経済は「100年に一度」の危機に直面している。金融担当大臣として不良債権処理にあたった竹中平蔵教授に混迷する経済再生の処方箋を聞く。

「サブプライ問題」はなぜ起こったのか

<strong>竹中平蔵</strong>●慶應義塾大学教授、グローバルセキュリティ研究所所長。1951年生まれ。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、慶應義塾大学総合学部教授などを経て、2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣。02年金融担当大臣、04年郵政民営化担当大臣を兼務。05年総務大臣。04年には参議院議員当選。近著に『竹中式マトリクス勉強法』がある。
竹中平蔵●慶應義塾大学教授、グローバルセキュリティ研究所所長。1951年生まれ。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、慶應義塾大学総合学部教授などを経て、2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣。02年金融担当大臣、04年郵政民営化担当大臣を兼務。05年総務大臣。04年には参議院議員当選。近著に『竹中式マトリクス勉強法』がある。

サブプライム問題が起きた瞬間、私は日本が10年前に経験した、金融危機とは違うと思いました。

昨年10月、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキに会いました。実は、金融担当大臣で不良債権処理をやっているとき、バーナンキはプリンストン大学教授だった。彼は「おまえのやっていることは間違っていない。頑張れ」と励ましてくれました。今度は私が彼を励まさなければならないと思い、ワシントンに行きました。彼はもの凄い緊張感の中で、仕事をしていました。