新型コロナウイルスの影響で、徳島の阿波おどりや青森のねぶた祭などの大型イベントが相次いで中止を発表している。旅行メディア運営に関わってきた萩本良秀氏は、「実施できる可能性がまだある祭りまでもが、ドミノ倒しのように中止が決まっていく。冷静かつ計画的に判断時期を見極めることもできるのでは」という――。
三社祭
写真提供=浅草観光連盟 365ASAKUSA

祭りがクラスター発生源になることを懸念

日本各地で、祭りや花火大会といった大型イベントの中止が次々と決定されている。4月下旬から開催の「弘前さくらまつり」、5月の「博多どんたく」、6月の「札幌YOSAKOIソーラン祭り」、7月の「隅田川花火大会」、8月の東北三大夏祭り「青森ねぶた祭」「仙台七夕まつり」「秋田竿燈まつり」に加え「長岡まつり大花火大会」「弘前ねぶたまつり」も、4月に入り次々と中止になった。

4月12日には、10月開催予定だった「長崎くんち」までも、「6月からの稽古や打ち合わせで人々の密集が避けられず、子どもを参加させる保護者からは心配する声も上がって先行きが見えない」という理由で、半年後の実施を早々と断念。まさに「ドミノ倒し」とも言える地方イベント中止の波がやってきている。

各公式サイトに掲載された主催団体の声明は、「祭り観覧者・参加者・関係者の皆さまが感染するリスクを払拭できず」(青森ねぶた祭実行委員会)、「250万人もの大勢の観客を安全安心な形でお迎えすることは、その準備を含めてとても難しく、やはり何よりも人命及び来場者の安全を優先するべき」(仙台七夕まつり協賛会)、「長岡花火によって新型コロナウイルスの感染拡大を起こしてはならない」(長岡花火財団)と、祭りの場が感染拡大の巨大クラスターになるリスクを、そろって理由として言及している。