絶望的な医療崩壊寸前も、歯止めか

ニューヨークでは1日の死者数が約700~800人となり、イタリアでは死者数がなお約600人となっています(4月18日時点)。各国と比べて日本は明らかに、感染者数と死亡者数が少ない点についてPCR検査をしていないからだとの意見も多いです。しかし、ニューヨークやイタリアのように、葬儀崩壊、死者が溢れている事態には陥っていないことからも、死者数のデータにはある程度の信憑性があると言えるでしょう。

まだ、多くのことは分かっていないですが、4月2日にミシガン州の保健社会福祉省が人種別の死者数の内訳を発表したデータによると、ミシガン州において新型コロナウイルス感染者の黒人が占める割合は33%・白人は25%、死者数は黒人が41%・白人は28%だったことが公開されています。アフリカ系アメリカ人の人たちはベースとして、高血圧、脳卒中、糖尿病の割合が高くなっており、こういった健康格差は貧富の格差から生まれていると考えられます。日本は国民健康保険制度で長い年月の中で医療に守られている国であり、医療格差が元々ないことも、今回の致死率の低さに関係してる可能性も考えられます。貧富の差と医療に日頃からアクセスできていたかどうかが、数字を通して顕著に現れています。

日本が誇る技術「アビガン」

日本の技術が世界を救うかもしれません。富士フイルムホールディングスが開発してる「アビガン」について、新型コロナウイルスに感染した患者の症状を改善させた例が複数報告されています。日米で治験を開始しており、最短で6月末までに治験を終え、年内にも市場に出てくるとの観測もあります。また、大阪大学大学院医学系研究科の森下竜一教授と阪大発バイオベンチャーのアンジェスは、新型コロナウイルスの予防用ワクチンなどで共同開発に乗り出しています。この治験薬の開発を早めるために、大阪府と大阪市は4月14日に大阪大や府立病院機構などと連携して治験や研究を行う協定を結んでいます。これにより、アンジェスのワクチン治験は2カ月前倒しの予定となっています。

コロナショックが訪れ、今まで繁栄してきた資本主義や都市構造のあり方への歪みが一気に露呈しました。世界では米中の覇権争いが続きますが、その狭間で、日本は独自の『地方自治・国民性・医療制度』の3つの点で“異質な輝き”を放っているのです。

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